
「学校に行きたくない」——そう子どもに言われたとき、親としてどう対応すればいいのか・・。
無理に行かせた方がいいのか、それとも休ませるべきなのか……。
ネットで調べても専門家の意見ばかりで、実際に同じ経験をした人のリアルな話が知りたい、と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんなときに役立つのが「不登校経験者が書いたブログ」です。
実際に不登校を経験した人が自分の気持ちや家族との関わり方を正直に綴ったブログには、親としての悩みに寄り添うヒントが詰まっていることがわかり、参考とすべきブログの例を知ることができます。
早速、参考になるブログを3つ紹介いたします。



読んでいて「私だけじゃない」って思うことができて本当に救われました。


- もと中学校の教員 35年間勤務
- アドラー心理学、認知行動療法、コーチングなどを学ぶ
- 「子どもに一生懸命でない保護者はいない」が信条
- 現在も教育関係の仕事に従事
- 自分の子どもが2人とも不登校を経験。
- その経験から不登校についての発信を始める。
ブログは「それぞれの親子」の リアルな物語


不登校のお子さんを持つ親が求めているのは、「実際に不登校を経験した人が、どう悩み、どう乗り越えたのか?」という生の声です。
不登校に関する情報は多くありますが、多くは専門家の意見や一般的なアドバイスであり、「自分の子どもに本当に当てはまるのか?」と疑問に感じることもあります。
しかし、不登校経験者のブログには、本人や親のリアルな感情や行動が綴られているため、「うちも同じ状況だ」と共感しやすくなり、対応のヒントを得ることができます。



子どもは十人十色です。
ブログの中に「自分の子どもと同じ行動・反応」を見つけるとホッとしますね。
体験談ブログの特徴と、親が得られること
不登校経験者のブログには、「リアルなストーリー」と「感情の共有」があり、親の不安を和らげるだけでなく、具体的な対応策のヒントも得られます。
不登校に直面した親の多くは、「このままでいいのか?」「いつまで続くのか?」と先が見えない不安を抱えています。
しかし、体験談ブログを読むことで、「同じ状況を経験した人が、こうして乗り越えた」という具体的な例を知り、少し気持ちを落ち着かせることができます。



私も自分の子どもが不登校になったときはネットの情報を読み漁りました・・・。
「不登校経験者のブログ」をオススメする理由3つ


世の中には不登校に関する情報があふれています。専門家の意見を取り入れることは当然必要です。しかしこの記事で「不登校経験者のブログ」をおすすめしているのには理由があります。
「不登校経験者のブログ」をおすすめする理由を具体的に3つ挙げます



不登校の子どもの親としては、専門家のアドバイスも役に立ちますが、「実際に同じ立場にいた人が、どんな気持ちで、どんな選択をしたのか?」を知ることで、自分たちの対応を考えやすくなりますね。
理由① 親としての対応を考えるヒントになる
不登校経験者のブログには、「子どもが朝起きられない」「学校の話をすると不機嫌になる」といった、まさに今親が直面している状況がリアルに書かれており、自分ごととして捉えやすいのです。
専門家の意見は理論的ですが、実際に「子どもがこういう言葉をかけられてどう感じたのか?」という細かい感情の動きまでは分かりにくいことがあります。
一方、体験談ブログでは、親が「どう声をかけるべきか悩んだ」「この一言で子どもが変わった」といったエピソードが豊富に語られており、親としての対応を考えるヒントになります。



最初にご紹介したブログは日記風なので、読みたいところがすぐに分かるわけではありません。
しかし、心がもやもやしたときに読むとなんとなく元気が出るのです。
理由② 不登校は「終わり」ではなく「通過点」だとわかる
共感を集めるブログには、「不登校を経験した人が、その後どうなったのか?」が書かれています。これにより、親は「今の状況がずっと続くわけではない」と思えるようになります。
不登校の親が最も不安に思うことのひとつは、「このままで将来は大丈夫なのか?」ということです。
しかし、多くの不登校経験者のブログでは、学校に行かなかった後も「フリースクールに通い始めた」「自分に合った学習方法を見つけた」「通信制高校に進んで充実した生活を送っている」など、その後の人生についても語られています。
これを読むことで、親は「不登校=人生の失敗ではない」と気づくことができます。



「今の状況がずっと続くわけではない」と実感できることは、親にとって大きな希望になるのです。
理由③ 「親の行動が子どもにどう影響するか」が分かる
親として「何が正解なのか分からない」という悩みを持っている人にとって、体験談ブログは「親の関わり方が子どもにどう影響したのか?」を知る貴重な情報源になります。
不登校の子どもにどう接すればよいのかはケースバイケースです。
「親がこの対応をしたら、子どもはこう変わった」という様々なエピソードを知ることで、自分の子どもに合った対応を考えるヒントになります。



体験談ブログの数だけ「親子の物語」があるわけですね。
不登校経験者のブログ3選


不登校に関するブログは数多くありますが、すべてが親にとって有益とは限りません。中には「ただの日記」「一時的な気持ちの吐露」にとどまるものもあり、読者が「結局、どうすればいいの?」と悩んでしまうケースもあります。
そこで本章では特に共感を集め、親が参考にしやすい「不登校経験者のブログ」を3つ厳選しました。



それぞれのブログの、どんなエピソードが書かれているのか、どんな人におすすめなのかを解説します。
- 「かにーじゃ」さんのブログ:「不登校の父医」
- koumama090924さんのブログ:「笑顔で過ごしていきたい 不登校だった娘と」
- Nico mamaさんのブログ:「Nico 心の天気 小学3年生から不登校」
ブログ①「かにーじゃ」さんのブログ:「不登校の父医」
「不登校の父医」は、不登校の子どもを持つ父親の視点から、不登校に関する体験や考えを綴ったブログです。


かにーじゃさんの長男は中学時代に不登校を経験したものの、通信制高校を経て大学に進学しました。
現在は新たな環境で学びながら、自分の道を歩んでいるとのことです。
一方で、次男は中学生の時点で不登校を続けており、学校に行かない選択をしている状況です。
2025年になり、次男も通信制高校を選択した、との報告がアップされていました。
- 不登校の子どもさんを持つお父さん。
- 不登校の子どもを持つお母さんで、お父さんが考えていることを知りたいと思っている人。
- 不登校の子どもがどのように成長したかその過程を知りたい人。
このブログの大きな特徴の一つに
「子ども2人の成長過程がカテゴリーとして分けられている」
ことが挙げられます。





時間軸で気になる時期を見ることができるのは大変ありがたいですね。
ひとつひとつの記事は短く読みやすいものです。
週に2記事アップを心がけている、とのことで、「それからどうなったの?」と次の記事を読みたくなります。
また、飾らない、正直な「ありのままの姿」が書かれています。
たとえば「スクールカウンセラー」という記事では


学校から呼ばれて、妻が面談。
小学校にも中学校にもスクールカウンセラー(SC)という役職の人がいます。
次男が小学4年で不登校になった時も、長男が中学2年で不登校になった時も、妻が学校に呼ばれ話し合いをしました。
しかし、結論から書いてしまうと、(我々の場合)どちらの学校のSCも役立ちませんでした。
むしろ、親にはプレッシャーをかけて精神的に追い詰める作用にしかなりませんでした・・・・ 以下略
このような歯に衣着せぬ投稿もあります。



子ども本人が読んでも参考になる記事もありましたよ。
ブログ② koumama090924さんのブログ:「笑顔で過ごしていきたい 不登校だった娘と」
元精神科ナース、現在心理士の「koumama090924さん」のブログです。


koumama090924さんは、ひとり娘が小6で不登校になりそれ以降再投稿と不登校を繰り返しました。現在は通信制高校に通いながら大学を目指しているとのことです。
- 不登校の子どもさんを持つお母さん。
- 子どもさんが不登校だったお母さんが「今」どんな考えを持っているか知りたい人。
- 専門家の考えを知りたい人。
このブログの大きな特徴は
「koumama090924さんが心理士である」
ことが挙げられます。
現在の職場には引きこもりの人なども訪れるそうです。



「不登校の娘さんの母親」「心理士」両方の視点で語られています。
高校生になった娘さんを、すべて受け入れ、温かい目で見ているのが印象的なブログです。


毎日、5時に起きて勉強をする
元不登校娘。
今朝は5時を過ぎても、起きて来ず。
朝食を作りながら、
起こすかどうか迷う。
普通のお母さんなら、
起こすことに迷いはないんだろうな。
中略
横を見ると、いつの間にか、
キラキラした笑顔の娘がいました。
娘の笑顔、なんて可愛いんだろう。
要するに、
何も言わず、ありのままを受け入れて、
親バカになっていればいいって話。
不登校のお子さんを抱える親御さんは自分の感情を受け入れるだけでも大変な面があります。
しかし、こんな考え方もあるんだな、と思えるブログです。



娘さん本人がおとなになって読んだら感謝するんじゃないかな・・と思ってしまいます。
ブログ③Nico mamaさんのブログ:「Nico 心の天気 小学3年生から不登校」
中学2年生の女の子(仮名:Nico)と小学4年生の男の子(仮名:Free)のお母さんのブログです。


Nico mamaさんの娘さんNicoさんは小学校3年生から不登校になりました。今は通信制高校を退学して「家の守り神」となっている、とのことです。
- 不登校の子どもさんを持つお母さん、お父さん。
- 不登校の子どもが何を考えているか知りたい人。
- 子どもさんが「うつ病」かもしれない、と思っている人。
Nico mamaさんは「どこにでもいる、普通のお母さん」のようです。
ブログタイトル「心の天気」とある通り、Nicoさんのその日の気持ちを天気に例えて綴っています。
Nicoさんはうつ病の薬を飲んでいることもあるようです。



次のものは最近(2025.1.23)の投稿ですが、もと教員だったKonには心に迫ってくる内容でした。


子どもが不登校
惨めに思えてしまう瞬間もあるとは思いますが
子どもが幸せと思っているならいいのではないでしょうか。
その子がどう思っているかが大事だと思います。
公立の中学進学のときの話です。
その時、Nicoはこんなことを言い出しました。
・席を用意しない
・名簿に名前を載せない
・学校には一度も行かない
こんなことを学校側に求めていいのか?と思いいつつ相談
意外とスムーズに認めていただけて、Nicoは3年間1度も学校の敷地に入らずに卒業をしました。
中学校側はこの条件をどう思ったのでしょうね。
考えたくないので蓋をしてきましたが、良いようには思ってもらえてないと思います。
そのころのNicoは特に理由を話しませんでしたが、今思うと「かわいそうな子」と周りから思われたくなかったのかもしれません。
存在を消すことがそう思われない方法の1つだったかも
以下略
淡々と綴られているブログですが、Nico mamaさんの「Nicoの気持ち、思いを伝えたい」という強い気持ちが伝わってきます。



親御さんの中には強い共感を感じる方がいらっしゃると思います。
体験談ブログを読むときのポイント3つ


不登校経験者のブログには、リアルな気持ちや具体的な対応策が書かれており、親にとって大きなヒントになります。
一方で「すべての情報が正しいわけではない」「他人の体験がそのまま自分の子どもに当てはまるとは限らない」という点にも注意が必要です。
ブログを読む際は、情報を鵜呑みにするのではなく、「どの部分を参考にすべきか?」を考えながら取捨選択することが重要です。
本章では、体験談ブログを有効活用するための3つのポイントを解説します。
ポイント① すべてを真に受けない——「我が子に合うか?」を考える
ブログに書かれている方法や考え方がすべての家庭に当てはまるわけではありません。
「我が子に合うか?」を考えながら読むことが大切です。
不登校の原因や子どもの性格は一人ひとり異なります。ある家庭ではうまくいった方法でも、別の家庭では逆効果になることもあります。
不登校の情報のなかの「あるある」ですが、「親が『学校に行かなくていいよ』ということが大事」というものがあります。



『学校に行かなくていいよ』は子どもが本当に「心のエネルギーがない」とわかったときに使う言葉だと私は思っています。
体験談ブログは運営者側も、「皆さんのお子さんも、こうした方が良い」とは全く思っていません。
記事は「体験談」であって「アドバイス」ではないのです。
ポイント② 「今の自分に必要な情報か?」を意識する
不登校の状況や段階によって、必要な情報は変わるため、「今の自分の悩みに合った情報か?」を考えながら読むことが大切です。
不登校になったばかりの親と、不登校が長引いている親では、知りたい情報が異なります。
不登校初期の親は「どう対応すればいいのか?」が気になります。
不登校が長引くと「進路をどうするか?」といった新たな悩みが出てきます。



「今、自分が知るべき情報は何か?」を意識しながら読むことが大切なのです。
ポイント③ 「成功体験」だけでなく「試行錯誤」に注目する
試行錯誤の過程こそ価値があります。その「過程」に注目することで、より現実的なヒントを得られます。
業者の記事を見ると、「こうしたらうまくいった」という話が目立ちます。
しかし、不登校がそんなに簡単に改善することはありません。
実際には「うまくいかなかったこと」や「時間がかかったこと」がたくさんあります。



今回紹介した3人の記事にはそういった試行錯誤がたくさん書いてあります。
不登校体験談ブログから「勇気」をもらって


体験談ブログを読むとなんとなく安心するものです。「悩んでいるのは自分だけではない」と知ることができるからです。
そして「子ども自身も苦しみ、悩んでいる。」ことが伺えます。
体験談ブログを読んで「自分の家庭より大変な家庭がある。」と考え「うちはまだ大丈夫」と思われる方もいるかも知れません。
しかし、それはアドラー心理学的にいえば
「他人より優位に立つことで劣等感を解消している」ことに過ぎません。
「自分より大変なところがある」= 「だから自分のところは今のままでいい」
という図式になるのです。
ではどう考えればいいのでしょうか?
次のように考えることが重要です。
- 自分が、自分の子どもが、自分の家庭が成長する大切なヒントと考える。
- 共に助け合う仲間、と捉える



このように考えることによって、ブログを提供してくれた方に感謝し、助け合ってともに歩もう、と前向きの姿勢になれるのです。
体験談ブログは貴重な情報です。
「勇気をもらって成長できる読み方」を心がけましょう。
よくある質問
- アドラー心理学とはなんですか
-
アドラー心理学は、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーが提唱した考え方です。この心理学では「人は過去ではなく、今と未来を大切にして生きる」という考えが基本になっています。
アドラーは「すべての悩みは対人関係から生まれる」とし、人との関わり方を良くすることが幸せにつながると考えました。たとえば、人と比べるのではなく「自分は自分」と考えたり、失敗を恐れず「自分で選んだ道を歩むこと」が大切だとしています。
また、アドラー心理学では「勇気」という考え方を重要視しています。自分を信じて行動することで、人とのつながりを深め、自分らしく生きられると考えます。過去のトラウマに縛られず、「今からどうするか」を大切にするのがアドラー心理学の特徴です。
「勇気」とは、困難を乗り越えて前向きに行動する力のことです。ここでいう勇気は、「恐れを感じないこと」ではなく、恐れや不安があっても、それでも一歩踏み出すことを指します。
- 不登校になる子どもに多い疾患はなんですか
-
不登校になる子どもに多い疾患には、以下のようなものがあります。
しかし、不登校の背景には、これらの疾患が単独である場合もあれば、複数が重なっていることもあります。また、疾患だけではなく、学校環境、家庭環境、本人の性格など、その要因は複合的ですので参考程度に考えてください。
1. 発達障害(ASD・ADHD・LD)
- 自閉スペクトラム症(ASD): コミュニケーションの苦手さやこだわりが強く、学校環境が負担になることがある。
- 注意欠如・多動症(ADHD): 集中が続かず授業についていけない、衝動的な行動でトラブルになりやすい。
- 学習障害(LD): 読み書きや計算が極端に苦手で、学習への苦手意識から学校が嫌になることがある。
2. 適応障害
- いじめや教師との関係、環境の変化(進級・転校など)によるストレスで、心身に不調が出てしまう。
3. うつ病・不安障害
- 強い不安や気分の落ち込みが続き、朝起きられない、学校へ行く気力が出ないといった症状が現れる。
4. 起立性調節障害(OD)
- 朝起きるのがつらい、立ちくらみがするなど、自律神経の不調が原因で学校に行けなくなる。特に思春期の子どもに多い。
5. 愛着障害
- 幼少期の親子関係が影響し、人との信頼関係を築くのが難しく、学校での人間関係がストレスになることがある。
6. 強迫性障害(OCD)
- 「手を何度も洗わないと気が済まない」「ノートを完璧に書かないと落ち着かない」などのこだわりが強く、学校生活が苦しくなる。
この記事のまとめ
- 不登校経験者のブログは、親が知りたい「リアルな体験談」が詰まっている
- 共感を集めるブログには「本音」「具体的な行動」「時間の経過と変化」が書かれている
- 成功体験だけでなく、試行錯誤の過程にこそ大事な学びがある
- ブログを読む際は「我が子に合う情報か?」を考え、取捨選択することが重要
- 「今できること」を少しずつ試しながら、親子で一緒に考えていくことが大切
- 体験談ブログは、提供してくれた方に感謝し、助け合ってともに歩もう、と前向きの考え方で読む。


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