この記事では改めて
「サポート校とは」
と題して解説します。
この記事を読むと次のことがわかります。
・サポート校の名前に「学校」はつかないのはなぜ?
・「学校最大の役割」って何?
・通信制高校とサポート校の関係は?
・最近よく聞く「一条校」ってなんのこと? 連携校とは違うの?
・「サポート校」って法的根拠はあるの?
・フリースクールと何が違うの?
・サポート校の歴史は?
・全日制高校の生徒はサポート校に入れるの?
わかっているようで、実はよくわからない サポート校。その全体像を徹底解説します。
また、今やサポート校は百花繚乱、多彩なサポート校があります。
その現状を踏まえ
「通信制高校よりサポート校をメインに選ぶ時代が到来か」
とやや尖った見出しで考察を加えています。
どうか最後までお読みください。
なお、この記事はいくつかのサポート校を具体的に挙げていますが、今のサポート校を理解するための例として取り上げています。
「ここがおすすめ」「ここが素晴らしい」という意図はありませんのでご了承ください。
ですので、みなさんが通信制高校やサポート校を選ぶときには、資料を取り寄せたり、実際にオープンスクールに行ったりして、生徒本人に合う通信制高校、サポート校を選ぶことを強くおすすめします。
しかし全国300校の中から自分にあった通信制高校選ぶことは難しいですね。そんなときは一括で資料が請求できる「通信制高校資料一括請求ができるズバット」など様々なサービスがありますので興味のある方は試してください。
サポート校は中学2年生から考えよう
この記事は、サポート校に関する記事なので高校生やその保護者に読んでいただくことはもちろんですが、
実は、中学校で不登校に悩んでらっしゃるお子さんをお持ちの保護者の方にこそ 読んでいただきたい内容になっています。
その理由は
「長い時間をかけてサポート校を選んで欲しい」からです。
中学校では 全日制高校(日中に通学する通常の「高校」) の「進路学習会」を学校やPTAが中心となって行うところが多数あります。
そのほとんどは2年生で第一回の進路学習会を実施しています。
サポート校についても同様です。中学2年生で下調べ、つまり「第一回サポート校・通信制高校 進路学習会」をしてほしいのです。
そして中学3年生になれば「全日制高校のオープンキャンパス」に行くように
「サポート校のオープンキャンパス」にも積極的に参加してほしいのです。
世の中では、こんなにも不登校が多くなっているのに、通信制高校とサポート校についての学校主体の進路説明会はほとんどありませんからね。
ですからこの記事が進路説明会の代わりになれば幸いです。
サポート校の名前に「学校」という文字は絶対につかない
この事に気づいてらっしゃる人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
どのサポート校の名前を見ても「〇〇学校」とついているところはないのです。
なぜサポート校は「学校」と名乗ることができないのでしょう。
「学校」は法律で決まっている
サポート校に「学校」という文字が絶対につかないのは
「学校」が法律で定められており、サポート校はそれに該当しないからです。
学校教育法第1条につぎのように記載されています。
この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園とする。
さらに
第6条には
法律に定める学校は
①公の性質をもつものであって ②国又は地方公共団体の外 ③法律に定める法人のみが、
これを設置することができる。
とあります。①②③について順番に見ていきましょう。
①サポート校は「公の性質」をもっているか。
→ 特定の(私立)通信制高校をサポートすることを目的にしており、公の性質はもっていません。
②サポート校は誰が設置しているのか
→すべて民間であって、国、都道府県、市町村が設置している「公立のサポート校」というものはありません。
③「法律に定める法人」とは何でしょう
いわゆる学校法人のことで、例えば甲子園の強豪校である横浜高校は正式には
学校法人徳心学園 横浜高等学校 といいます。
私立の高校は必ず、この「学校法人」という名称がどこかにあります。
この学校法人ならばサポート校を「学校」として設置できそうです。
実際に様々な学校法人が運営しているサポート校がたくさんあります。
なぜそれらが「学校」ではないのかといえば、最大の要因は①の「公の性質」をもっていないからです。
そして実は「リアルに学校を設置する」にはさらに高いハードルがあり、次のような細かい規定が定められているのです。
・学校を建設する土地、学校の所有物の土地があること。
・学校の建物自体は必ず学校の所有物であること。
・外部との遮蔽物(塀)を必ず設けること
・校舎を必ず建設すること
・校長室を1室以上設けること
・教室を1室以上設けること
・常勤校長を1名以上在籍させること
・常勤の教員を1名以上在籍させること
その他、校舎についても具体的に大きさが決められています。
これを実現するにはそれなりの資金が必要だね。「学校」を開校することは一大事業と言っていいね。
これらのこともあり「サポート校」はそもそも「学校」ではないのです。
学校最大の役割は「卒業資格」を与えること
「卒業資格」という言葉を聞いたことがあると思います。
・中学卒業資格
・高校卒業資格 といいます。
高校卒業資格を取得するには、様々な条件があります。
・全日制の場合は3年、定時制・通信制の場合は各学校が定める3年以上の期間在籍する
・各学校が定める74単位以上の必要な単位数を修得する
・「高等学校学習指導要領」で定められた必履修科目を履修する
つまり
・一定の期間在籍すること、と 一定の学力をつけること です。
高校卒業のときには必ず認定会議が開かれます。
主に出席日数とテストの点数を見るのはこの「期間」と「学力」を認定するためです。
担任の先生から「おまえは卒業できないぞ!」と冗談を言われたりした人がいるかも知れませんが、あれはこの会議で卒業認定をされない、ということですね。
認定会議を通過すると「卒業資格」がもらえますが、 この「資格」は国が定めたもので、その学校の「卒業証書」をもらうと資格が与えられたことになります。
卒業証書授与式が「学校の最重要行事」と位置づけられるのはこのためなんだね。
「高校卒業資格」のもう一つ大事なことは「高校卒業の資格」と同時に「大学や専門学校などの上級学校を受験できる資格」であることです。
世の中の人々が「高校に行きたい」と考える大きな理由の一つになっています。
しかし、たとえば大学を受験する資格だけなら
「高等学校卒業程度認定試験」(高卒認定試験)を受けて取ることができます。
旧大学入学資格検定いわゆる「大検」です。
何らかの事情で高校に行けなかった人が独学で勉強してとるものです。
この試験は「一定の学力」の部分を認定するもので文科省が毎年実施しています。
ちなみにサポート校には高卒認定試験に向けたコースを設置しているところもあります。
中学校卒業程度認定試験もあります。
校教育法第十八条の規定により、病気などやむを得ない事由によって保護者が義務教育諸学校に就学させる義務を猶予又は免除された子等に対して、高等学校入学に関し、中学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するために国が行う試験であり、合格した者には高等学校の入学資格が与えられます。
「連携校」と「サポート校」
サポート校のホームページを見ていると必ず出てくる単語が「連携校」です。
WILL学園でいえば
WILL学園の「連携校」は翔洋学園高等学校です。
翔洋学園高等学校の「サポート校」がWILL学園です。
ただし、これは法的に決まった言い方があるわけではありません。
一般的な傾向として理解してください。
先に出したWILL学園でも、「翔洋学園高等学校が連携しているはWILL学園です」という言い方も時折見られます。
最近よく聞く「一条校」とは
こういった「連携校」というものの位置づけが曖昧なため、最近では「一条校」という言い方をするようになりました。
「一条校」とは、学校教育法第1条に定められた学校の種類のことです。
「第1条」に定められている学校であることから名付けられています。
小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の10校を指し、いわゆる一般的に「学校」と称されるものが該当します。
通信制高等学校も「一条校」に該当します。
このことを利用して、サポート校に対して高校卒業認定を受ける通信制高校のことを「一条校」というわけです。
つまり今までは
「トライ式高等学院の連携校は鹿島朝日高等学校です。」
といっていたものを
「トライ式高等学院が連携している一条校は鹿島朝日高等学校です」
というわけです。
連携校という名詞を使わず「連携している一条校」というようにしたわけです。
これによって法的には曖昧な立ち位置の「サポート校」に対して
「法的に学校と認められた学校と連携している」
ことを強調していると考えられます。
「塾」と言われるより、「高校と連携している。」と言われる方が説得力があるもんね。
Be高等学院のホームページなどはそのような意味で表記されています。
この記事で「(高等)学校」という場合は学校教育法第1条で定められた、全日制高校・定時制高校・通信制高校を指すものと考えてください。
では「サポート校」とは
ここまでのことを踏まえて改めてサポート校とは、と聞かれれば
「通信制高等学校に所属する生徒を学習面、精神面、ときには生活面をも支援する教育施設」です。
ちなみに
サポート校という言い方も通称であり、法的な根拠・区分・権限などはなく、学習塾の一種と考えることもできます。
◯ 学校には
校長、教員、養護教諭がいます。
◯ サポート校では
・校長に当たる人が キャンパス長
・教員は先生、コーチ、メンター と呼ばれたりします。 (教員免許を持っているとは限りません)
・養護教諭と同じ役割の人はあまり見当たりませんが、そのかわり、カウンセラーなどが充実しています。
サポート校は民間の学習塾、学校法人、予備校、専門学校など各種教育関係の会社等が経営しています。
それぞれのホームページをたどっていただくとその経営母体が見つかります。
調べてみると、結局連携校の学校法人と同じだった、ということなどが度々あります。
興味のある方は調べてみるとおもしろいです。
高校が「サポート校」を認可する
前述の通り「サポート校」というものに明確な法的根拠はありません。
しかし少なくとも
「通信制高校側がその施設を自校のサポート校と認可する」
ことは必須です。
でなければ、〇〇高校のサポート校と名乗ることはできません。
ですが、逆に考えれば、通信制高校が
「あそこはうちのサポート校です。」
と言いさえすればその施設はサポート校を名乗ることができます。
サポート校の法的根拠がないということは、通信制高校がサポート校を認可する法的基準もないと言えるからです。
具体的にサポート校は何をしてくれるのか
では、具体的にサポート校は何をしてくれるところなのでしょうか。
通信制高校のカリキュラム、授業スタイルとは
その前に通信制高校について簡単に説明します。
通信制高校とは、通信教育を使って場所を選ばずに勉強できる高校で、毎日学校に通う必要がないのが特徴です。
通信制高校では一般的に単位制が導入されており、課題の提出やテストによって単位を取得し、必要な単位数に達することで卒業要件を満たすことができます。
現在ではテストより課題の提出、レポートなどが多くなってきています。
トライ式高等学院を例に取ると
ごく大雑把に言えば
「通信制高校とは通学は最低限にして、家庭などで自分で勉強し、与えられた課題を自分でこなしていく学校」と言えます。
この「自分で課題をこなす」というところを支援するのがサポート校です。
例えば日本航空高等学校 通信制課程 に入っているAさんがいるとします。
Aさんは高校のカリキュラムだけでは心配なので、トライ式高等学院にも入学しました。
すると、航空高等学校の授業内容や課題がトライ式に共有されます。
システムが出来上がっていますので、Aさんが何も言わなくてもトライ式の先生はAさんの課題を把握しているのです。
したがってAさんはトライ式の先生から手伝ってもらったり助言をもらったりすることができ、単位取得、ひいては卒業に結びつくわけです。
サポート校は「子どもが勉強に取り組まない原因」を解決してくれる
ここで、サイト管理者が教師生活30年で感じた
「子どもが勉強に取り組まない原因」
を2つ上げます。
1.「勉強する環境が整わない」
極端に言えば家庭に自分の机がないのです。
また、机があっても雑誌マンガ・ゲーム置き場になっています。 ひどいときはゴミが置かれています。
ゲームやマンガなどの刹那的なものに慣れてしまい、自力でそこから這い上がれなくなっています。
2.「勉強する必要性を感じない」
学習して役に立った、良かったという、自分が成長できた、という経験がありません。
また、自分の将来を見通すことができないため、夢や希望を持てない状態になっています。
この「夢や希望を持てない」ということは、言い換えれば
「正しく健全で勇気を得られる情報に接していない」ということです。
「人生に対する価値観が低い」
と言ってもいいかもしれません。
この2つをサポート校は解決してくれるのです。
1について
サポート校に行けば環境はいつでも整っています。
2について
メンターである先生方は、夢や希望を聞きながら学習意欲を引き出してくれます。
ときにはキャンパスでゲームを一緒にやりながら子どもたちと会話をするのです。
このとき先生方は会話の中に「正しく健全で勇気を得られる情報」をたくさん折り込みます。
その事によって根気強く子どもたちの学ぶ意欲を引き出してくれるのです。
サポート校の先生たちは本当に子どもたちのことを考えてくれる「プロ」なんだね。
自分に寄り添ってくれる大人の方の存在は大きいよ。
これだけでもサポート校がどれだけ大きな役割を果たしてくれるのか理解できると思います。
その他にもサポート校は、精神的な面での色々な悩みをカウンセラーが聞いてくれたり、進路に対してメンターという形などで手厚く支援してくれたりします。
「高等学院」はサポート校が多い
ここまででかなりサポート校のイメージを持ってもらえたのではないでしょうか。
ではサポート校の名称はどんなものが多いのでしょうか。
運営母体がそれぞれの特色を出しながら名称をつけているようです。
・トライ式高等学院
・Be高等学院
・I高等学院
・おおぞら高等学院
などとなっており、「高等学院」の名称をつけるところが多いようです。
ただ、これも「多い」というだけで法的に決まっているわけではありません。
たとえば学研が設立したサポート校は「WILL学園高等部」です。
サポート校に「高等学校」という名称は法的につけることはできないんだね。
サポート校 豆知識
日本にはどれくらい「サポート校」があるのか
1500箇所あると言われています。
そして、サポート校は連携校を複数持っている場合があります。
トライ式ならば、サイト管理者が把握しているだけで6校の連携校があります。
また、通信制高校が複数のサポート校を持つところもあります。
たとえばある通信制高等学校のホームページを見ると71校(!)あります。
これはサポート校の法的基準が明確ではないために、様々なものが「サポート校」と名乗ることができるためです。
中学校のサポート校はあるのか
「サポート校」が通信制高校のサポートであるという観点から言えば、「中学校のサポート校」はありません。
中学校の場合は「フリースクール」となるのが一般的です。
公立や私立の全日制高校の生徒はサポート校に入れるか
サポート校の成り立ちそのものが通信制高校からの要請ですから、「サポート校」はあくまでも通信制高校のサポート校です。
中学校や小学校のサポートではありませんし、全日制高校のサポートでもありません。
そして通信制高校からの要請で始まったので当たり前ですが
「その高校」をサポートします。
たとえば学研のWILL学園高等部では翔洋学園高等学校をサポートしています。
トライ式高等学院ならば
鹿島学園高等学校
日本航空高等学校
高松中央高等学校
ルネサンス高等学校
鹿島朝日高等学校
をサポートしています。
では全日制高校の生徒がサポート校の内容を気に入り
「サポート校だけに入りたい」と言った場合
その生徒はサポート校、例えばトライ式高等学院には入れないのでしょうか。
そのサポート校の入学規則がどうなっているかによると思いますが、原則的には 入れないと考えた方が良いでしょう。
トライ式ならば個別学習のトライ、家庭教師のトライがありますので、そちらに入ることを勧められるはずです。
ホームページを見ると「同時に連携校に入学してもらうことになる」と表記されているサポート校がほとんどですね。
ただ、通信制高等学校は転入を広く受け入れています。
つまり全日制高校から通信制高校に転入する、という意思があればサポート校に入れることになります。
フリースクールとサポート校は成り立ちが違う
この項目はサイト管理者が30年間教師として現場から見てきたもののまとめです。
正式な歴史や事実とはズレがある可能性がある場合がありますのでご了承ください。
どちらも民間の教育施設
個人、塾、企業、学校法人、NPOなど民間が立ち上げています。
「教育施設」とよく言われます。
フリースクールのほうが歴史が長い
フリースクールは1985年に設立された東京シューレが有名です。
これを参考に、おそらくは、不登校に悩む保護者の方や有志によって各地に設立されていったと考えられます。
フリースクールが多くなるに従って、学校ごとにその実態を鑑みて「出席」日数として扱うことが認められていったのです。
おそらく1990年代〜2000年頃は高校生の不登校の子どももこのフリースクールに通っていた生徒が多かったのではないでしょうか。
余談ですが、教育支援センター(適応指導教室)というのがあります。
こちらは各自治体の教育委員会が設置しているもので、いわば公的機関です。
教育支援センターは職員も「元教師」という方がたくさんいるよ。
教育支援センター(当時の適応指導教室)もフリースクールを参考に作られたと思われます。
サポート校の出現
中学生の不登校が多くなり、しばらく経った後に起きたことは
「中学では不登校だったが高校には行きたい」という現象です。
当時の全日制高校は出席日数を重視していましたから、欠席の多い不登校生は全日制高校に入ることは困難でした。
そこで、にわかに脚光を浴びたのが「通信制高校」です。
しかし、当時の通信制高校は昔ながらの体質だったため、不登校の子どもたちは入学はしたものの適応できず、退学するものが多かったのです。
そこで通信制高校、特に私立の高校が対策に乗り出しました。
自分の学校に通う生徒に対して、学習面、精神面で何らかの支援をしようとしたのです。
しかし、学校の先生が本来の業務の他にそのような手厚い支援をすることはできません。
「学校で手が回らないなら、外部委託の形を取ればいい。」
ということで登場したのがサポート校です。
もともと持っていたノウハウを活かし、生徒たちの支援に取り組んだものがうまく軌道に乗ったのだと考えられます。
通信制高校はもともと家庭の経済事情などで全日制高校に行きたくても行けなかった人に向けて作られた学校なんだね。
サポート校の歴史がどこから始まったのか定かではありませんが、トライのようにノウハウを持っていた大手の塾や教育団体、さらに学校を経営している学校法人そのものがサポート校を経営するようになっていったと考えられます。
現在では高等専修学校が「サポート校」と名乗るところも出現しています。
もっとサポート校を理解し、より良い選択をするために
サポート校はそれぞれ独自性を持っている
ここで、この記事を読んでいる皆さんに気をつけてほしいことがあります。
「サポート校」を名乗ればそのシステムが全部同じとは限らない、ということです。
むしろその逆で、それぞれ個性的な強い独自性を持っています。
私達は「◯◯校」という文字が付けばすべて同じようなカリキュラムだと思ってしまいます。
その理由は中学校教員だったサイト管理者の手前味噌な話かもしれませんが、 日本の公教育のシステムが優れているためです。
どこの地域に住んでいても日本である限り、一定水準の遜色のない教育が受けられるのです。
これは当たり前のように感じているかもしれませんが、世界でこのような国はほんの一握りです。
PISA2022年調査では、日本は科学的リテラシーが2位、読解力が3位、数学的リテラシーが5位で世界トップクラスだよ。
この点で日本は世界でも珍しい超教育大国なのです。
この「学校なら、どこでも高水準の教育を受けることができるという常識」
が私達に身についているため、サポート校にも同じような期待を持ってしまうのです。
しかしながらサポート校それぞれの実態は様々で、教育の方針や手法は千差万別と言っても過言ではないくらい多様なのです。
ですから、繰り返しになりますが、サポート校を選ぶときはオープンキャンパスに参加することが非常に大切です。
実際に自分の目と肌感で「自分に合うかどうか」を判断してください。
通信制高校、サポート校を検索。大検・高卒認定情報もゲットできる「通信制高校ナビ」
質問に答えていく形式で自分にあった通信制高校が見つかる「ズバット通信制高校比較」
サポート校はビジネスライクに選ぶ
サポート校の費用は私立高校並みに必要です。
サポート校は今や「ビジネス」です。
ならば、我々利用者もビジネスライクに利用するべきです。
つまり納得するまで、何度でも、聞きにくいことでも、すべて解決するべきです。
今のネット時代は口ココミとしてさまざまな情報を手に入れることができます。
Googleで「〇〇サポート校 口コミ」と検索すればいろいろな情報を手に入れることができます。
それらをすべて鵜呑みにする方は少ないでしょうが、気になることがあれば、聞いておくべきです。
サポート校から見ると、私達は「お客様」にあたるわけですね。
サポート校の職員は「真剣」な教育者
しかしその一方でサポート校の職員の方々は尊敬するべき「教育者」です。
私が出会ったサポート校の方はある意味、公立学校の教員より教育者としての使命感や誇りを持っていました。
「児童、生徒のため」に活動しているのです。
そこはかなり信頼していいと思います。
こういう言い方は誤解を生むかもしれませんが
「ビジネスだからこそ真剣」
なのです。
公立の小中学校の先生は公務員です。成果に関係なく給料は一定です。
きつい言い方をすれば、
「眼の前の生徒が明日から誰も来ないかもしれない」という危機感はゼロです。
自分の失態のせいで学校が潰れるということもありません。
サポート校や塾の先生方はその危機感を抱えながら仕事をしていますので、真剣味は数段上だと思います。
通信制高校よりサポート校をメインに選ぶ時代が到来か
もしかしたら現在既にフリースクールに通ってらっしゃるお子さんをお持ちの方もいると思います。
その状況に慣れてしまうとお子さんは同じ系列のサポート校に進むことが多くなります。
それは否定しませんがサポート校大手のトライ式、WILL学園、Be 高等学院などは全体として「学力をつける」と言うところに力点を置いているように見受けられます。
さらには大学進学をも重要な視野に置いています。
これは従来の考え方からすると当然の考え方です。
実際に全日制高校は未だにこの考え方が主流です。
全日制高校の大半は、大学や専門学校に入れるための授業に力を入れていますね。
商業や工業の職業科でもそうなってきているね。
しかし、不登校のお子さんにとって、それが最善の方法とは限りません。
なぜなら、勉強に拒否反応を示して不登校になっているお子さんも多いからです。
そのような子どもたちに
サポート校に入ってからも
「勉強を一生懸命しなさい」
とばかりいうことは良いこととは思えません。
それよりも高校を卒業した後の自立に向けて、様々な技能を身に付けた方が良いのではないでしょうか。
この問題の解決に乗り出してきているのがサポート校なのです。
全日制高校には、工業や商業に代表される、いわゆる職業科というものがあります。
実はそれと似たような仕組みを現在のサポート校が持っているのです。
例えば、IT関連では
・ECCコンピュータ専門学校 高等課程
(ここはサポート校でありながら専修学校でもあります。専修学校については「技能連携校とは(準備中です)」で説明します。)
また
・渡辺高等学院は「芸能」、
・ECCアーティスト美容専門学校
(専門学校となっていますがサポート校です)は「美容」、
・おおぞら高等学院では「マンガイラスト」、
・代々木グローバル高等学院では「ネイル」や「eスポーツ」、
など多彩なコースをサポート校は設けています。
「高等学校」のように文部科学省の認可を受ける必要がないので、「ものすごいスピード」で多くの種類が開設されています。
珍しい例では
スターシャル学院のように発達障害に焦点を当てたサポート校もあります。
もともとグループの中に放課後デイサービスがあり、そのノウハウを活かしています。
(なお、このコースを利用するには「通所受給者証」が必要です。)
こうなってくると通信制高校のほうは
「高校卒業資格を取るためだけに入る」
ことになります。
この考え方は「通信制高校と技能連携校」(技能連携校とは(すいません準備中です))の考え方と似ています。
技能連携校は「服飾」「調理」「商業」「工業」の技能を育むことが主な目的で設置されており、技能連携校に通うことによって通信制高校の単位も取得できます。
サポート校では単位の取得はできませんが、「技能の取得」はできます。
様々な企業や団体、個人と柔軟に連携できるため、技能の取得にはむしろ
「サポート校のほうが有利である」とさえ言えますね。
ですから
いわゆる数学や国語などの「お勉強」が苦手な人たちにとって
今や
「サポート校をメインに選ぶ時代」
と言えるのです。
芸能人やアスリートが通信制高校に入っていることは有名な話です。
この人たちがすべてサポート校を利用してるとは限りませんが、
これからの時代、「自分の技能」を高めることを最優先させる敏感な人たちは、サポート校の内容に注目して通信制高校を選ぶようになるかもしれません。
どの通信制高校にどんなサポート校があるかは「ズバット通信制高校比較 一括資料請求」などで資料を取り寄せて比較検討してください。
まとめ
- サポート校を選ぶときは中学2年のうちから選ぶことが理想。
- サポート校は「学校」ではない。
- サポート校は学習面はもちろん、精神面、生活面でも支援が受けられる。
- サポート校豆識。サポート校の数、名称など。
- サポート校を理解してより良い選択をするには、ビジネスライクにすることも必要。
- サポート校は多様化している。今や通信制高校よりもサポート校をメインに選ぶ時代になりつつあるかもしれない。