「技能連携校」という学校があります。不登校を経験した子どもさんも多く入学しています。
そうですね。けれど、技能連携校っていったいどういう学校なの?
不登校を経験した子どもさんや、現在不登校になっている子どもさんにとって技能連携校は
「進路として最初に考えるべき重要な選択肢のひとつ」です。
その理由は次のとおりです。
- 技能連携校は不登校の子どもさんへのサポートが手厚い
- 連携している通信制高等学校の単位を取得することができる。
- したがって通信制高等学校での単位取得が容易になる。
- 専門学校と連携している場合、内部進学が有利になる場合がある。
- 「大学入学資格付与指定校」が多いので、高等学校卒業資格とほぼ同じ資格がもらえる。
- 国の就学支援金や自治体の助成金などの対象になっている。
- 公立の通信制高校と連携している技能連携校が多いので費用が安くすむ。
- 専修学校とは何か。
- 「大学入学資格」「大学入学資格付与指定校」とは何か。
- 技能連携校とは何か
- 技能連携校の特徴、メリット・デメリット。
- 通信制高校サポート校との違い。
- 中学3年生で来春受験を予定している子どもさんと保護者
- 不登校経験者で進路を悩んでいる子どもさんと保護者。
- 学力に不安があり、進路を悩んでいる子どもさんと保護者。
- 技能連携校について調べている方。
技能連携校は不登校の子どもさんへのサポートが手厚い
このサイトを訪れてくださっている方にとって重要なことですが
不登校を経験している、あるいは不登校である子どもさんにとって、技能連携校はそのサポートが充実しているところが多いのです。
下記は文部科学省発行の冊子『未来をひらく高等専修学校』のスクリーンショットです。
なお、技能連携校とは高等専修学校の一つの形ですので、下記のスクショで「高等専修学校」となっているところは = 技能連携校と読み替えて大丈夫です。
技能連携校は高等専修学校のひとつなんだね。不登校経験者の入学が2割に達しているは嬉しいですね。
公的な教育施設が積極的に不登校経験者と向き合ってくれていますね。
「技能連携校」を説明するために
さて、技能連携校とは何でしょうか。
結論を「超」簡単に言うと
「全日制高等学校にいかなくても、情報や服飾などの専門的な勉強をしながら、高等学校卒業資格がとれる教育施設」
となります。
その中身の詳しいことについてここから説明します。
実は技能連携校とは何なのかをきちんと説明するのは少し難しいことです。
できるだけ簡単に説明しますが、
それでも、いろいろな教育施設に関する単語が出てくるので気をつけてお読みください。
「技能連携校」を説明するのに必要な用語
すでにご存知の単語として
- 通信制高等学校
- 定時制高等学校
この記事で出てくる新しい単語として
- 専修学校
- 高等専修学校
- 大学入学資格付与指定校
- 技能連携校
おそらくみなさんが知っているであろう単語として
- 高等学校卒業資格
- 専門学校
という前提で説明します。
特に
- 専修学校
- 高等専修学校
- 大学入学資格付与指定校
の説明を念入りにします。
説明の前に、上記の単語を使って技能連携校を説明すると
- 技能連携校とは高等専修学校の中で一定の条件をクリアしている学校。
- 通信制高等学校と技能連携校はそれぞれちがう学校であるが、どちらも公的な教育機関である。
- 通信制高等学校(と定時制高等学校)の中には技能連携校と連携している学校がある。
- 通信制高校(と定時制高等学校)に入っている生徒はその高校と連携している技能連携校に入ることができる。
- 技能連携校での授業は、通信制高等学校(と定時制高等学校)の卒業単位として認定される。
- 通常3年間の通信制高校(と定時制高等学校)と技能連携校の教育課程を修了すると「高等学校卒業資格」と「大学入学資格」がそれぞれ与えられる。
となります。
具体的な技能連携校
下記は「通信制高校があるじゃん」のサイトです。
具体的な技能連携校を見るとイメージも湧きやすいと思いますので、参考にしてください。
また、下記は技能連携校の一覧です。
こちらも「通信制高校があるじゃん」のリンクより取得いたしました。これはその一部だけのスクリーンショットですので、各県のものはリンクをクリックしていただき御覧ください。
専修学校とは
まず、専修学校について説明します。
専修学校は、特別な技術や知識を学ぶための学校です。
たとえば、料理、デザイン、パソコンの使い方など、いろんなことを専門的に学ぶことができます。
専修学校にはの次の3種類があります。
- 専門課程
- 高校を卒業した人が入る学校で、仕事に必要なスキルを身につけます。
- たとえば、看護師や美容師になるための勉強をすることができます。
- 大学を卒業した人は「修士」という称号が与えられますが、専修学校専門課程を卒業した人には「専門士」という称号が与えられる場合があります。
- 高等課程
- 中学校を卒業した人が入る学校です。
- 仕事に役立つことを学びながら、普通科の科目も学びます。
- 一般課程
- 特に入学条件がない学校で、さまざまなことを学ぶことができます。
気をつけていただきたいことは、専修学校とは次のものではない、という点です。
- 全日制高等学校
- 通信制高等学校
- 定時制高等学校
- 大学・短大
これらの学校は一条校(「学校教育法第1条」に由来している)と呼ばれ、いわゆる「学習指導要領」に基づいた教育をすることが求められます。
専修学校は学校教育法第124条に基づいていて、一条校とはそもそも扱いが違います。(技能連携校は55条)
それでも中学校、高等学校などと同じ「文科省が定めている公的な教育機関」です。
ちなみに専修学校は「通信制サポート校」でもありません。
通信制サポート校については「サポート校とは 基礎知識からその現状まで徹底解説」を参考にしてください。
専門学校とは
よく耳にする「専門学校」は、「専修学校の専門課程」にあたり、高等学校を卒業した人が進学できる専修学校です。
つまり「高等学校卒業資格(高卒)」がないと入れないわけです。
高等専修学校とは
高等専修学校は「専修学校の高等課程」にあたり、同じ「専修学校」であっても「中学卒業資格(中卒)」があれば入学することができます。
「高等」とついているため誤解されることが多いのですが、入学するときに必要な資格は「中卒」でよいのです。
一般的に、高等専修学校に通う学生の年齢は「高等学校に通う生徒と同じ」ということになります。
つまり「高等専修学校」の「高等」は「高等学校」の「高等」と同じと思って差し支えありません。
一般課程はとくに入学資格を問わない1年以上の学科を置く課程です。
いわゆる「大学受験予備校」などはこれに当たります。
「浪人生」は学生とも社会人ともいえない立場ですが、予備校に通うことによって専修学校の「生徒」となり、「学割定期」などの適用を受けることができるわけですね。
予備校の他にも一般課程をおいている専修学校は様々あります。
「東京都専修学校各種学校協会」を参考にしてください。
「高卒資格」と「大学入試資格」
ここで高卒資格と大学入試資格について説明しておきましょう。
「高卒資格」
正式名称を「高等学校卒業資格」といいます。
ご存知の通り通常の高等学校を卒業したときにもらえる資格のことになります。
高等学校卒業程度認定試験(以下「高卒認定」)というのがありますね。
昔の「大検」です。
それは文部科学省が実施する国家試験です。
この試験は、高等学校を卒業していない人が、高等学校卒業者と同等以上の学力があるかどうかを認定するために行われているもので、高等学校卒業資格とは厳密には違います。
「大学入学資格」
これは高等専修学校を卒業したときにもらえる資格です。
あまりなじみのない言葉だと思いますが、ある一定の基準をクリアしている高等専修学校を卒業したときに与えられる資格です。
「一定の基準」とは簡単にいうと
- 3年以上の修業年数を課している。
- 3年間の総授業時数が全日制高校とほぼ同じ です。
ちなみにこの「大学入学資格」を与えることができる高等専修学校を「大学入学資格付与指定校」といいます。
高等専修学校のうち、8割程度がこの「大学入学資格付与指定校」になっています。
文科省「修了者に大学入学資格が認められる専修学校高等課程の一覧」
高等学校卒業資格と大学入試資格は厳密には違うけれど
高等学校卒業資格と大学入試資格は厳密には違います。
しかし、社会的に証明される資格としては実はほぼ同じものです。
そのことについて次に解説します。
「高等学校卒業資格」の「資格」は何の資格なのか
今や当たり前のように日本人の大部分は高等学校を卒業しています。
しかし、その高等学校を卒業した人に与えられる「高等学校卒業資格」とは何でしょう。
「資格」ですから、何かが証明されたり、許可されたりするもののはずです。
それが次のものです。
- 「高等教育を修了した学力がある」という証明
- 大学や短大、専門学校を受験できる資格
- 国家資格試験、例えば「看護師国家試験」の受験に必要なもの
2の大学・短大はご存知のとおりです。
専門学校とはこの記事で説明している通り、「専修学校」のひとつです。
入学するためには、通常「高等学校卒業資格」が必要です。
3の国家資格試験については少しややこしい説明になります。
上の文章では「受験に必要なもの」という曖昧な紹介になっていますが、これには事情があります。
看護師国家試験を例に説明すると
「看護師国家試験そのものの受験資格に「高卒資格」が必要、とは明記されていない」
のです。
しかし、看護師になるためには、看護専門学校や大学の看護学部を卒業する必要があり、これらの教育機関に入学するためには通常、高等学校卒業資格が求められるのです。
つまり看護師国家試験を受験するためには
「間接的に高等学校卒業資格が必要」ということになります。
2の「大学・短大・専門学校を受験できる資格」と3の「国家試験資格の受験に必要なもの」は結局同じことを言っているわけですね。
「大学入学資格」を高等専修学校で取得できる
「大学入学資格」はその名の通り、「大学に入学できる資格」です。
もういちど「高等学校卒業資格」を紹介します。
- 高等教育を終了したという証明
- 大学や短大、専門学校を受験できる資格
- 国家資格試験、例えば「看護師国家試験」の受験に必要なもの
2は完全に同じことになります。
1についても、単位数などが厳密に定められていて、大学入学資格を付与されている専修学校では、そこを卒業することによってその学力が保証されています。
ところで、特筆すべきは3の部分です。
「高等学校卒業資格」より有利になることがある
3の「国家資格試験、例えば「看護師国家試験」の受験に必要なもの」も2と同じ意味ですから、当然「大学入試資格」にも与えられています。
しかし、高等専修学校はその性質上、次のようなことが時々あるのです。
それは
「高等専修学校からその上位校に内部進学できる可能性が高くなる」
ことです。
たとえば愛知県に「トヨタ工業学園高等部」という「あのトヨタ」が運営している技能連携校があります。
トヨタ工業学園高等部では、その上位校である「専門部」があり、内部進学が可能になっているのです。
日大三高から日本大学への進学は他の高校より有利になります。
東海大相模から東海大学への進学も他の高校より有利ですね。
トヨタ工業学園高等部からトヨタ工業学園専門部への進学はどうでしょう。
何らかの配慮がある可能性は高いのではないでしょうか。
つまり「大学入学資格」は「高等学校卒業資格」と同じといえますが、
それどころか、考えようによっては専門学校への入学を目指す生徒にとって
「高等学校卒業資格」より有利とさえ言えるのです。
技能連携校とは
前置きが長くなってしまいましたが、ここでやっと「技能連携校」について詳しく説明いたします。
ここまでのところを、もう一度整理すると
- 専修学校には中卒で入学できる「高等専修学校」がある。
- 高等専修学校は通信制高校ではない。全日制高校でもないし、定時制高等学校でもない。通信制サポート校でもない。
- 高等専修学校は「高校卒業資格」は取得できない。
- しかし「大学入学資格」をとることができるところが全体の8割ある。
- 「大学入学資格」とは「高等学校卒業資格」とほぼ同程度のものである。
上記のように「大学入学資格」を取得できる高等専修学校を「大学入学資格付与指定校」といいます。
技能連携校は高等専修学校の分類のひとつ
「大学入学資格付与指定校」と別に高等専修学校には
「技能教育施設として指定を受けた高等専修学校」
という区分があるのです。
それが
「技能連携校」です。
「連携校」ですから「連携」している「先」があります。
「通信制高等学校」と「定時制高等学校」です。
ちなみに「大学入学資格付与指定校」と「技能連携校」はどちらか一方だけ与えられるものではありません。
「大学入学資格付与指定校」であり、同時に「技能連携校」である、
という専修学校は多数あります。
図で表すと下記のようになります。
では、その「技能連携校」とは具体的にどんなものでしょう。
技能連携校に指定された高等専修学校に入学すると、どんな良いことがあるのでしょうか。
例を上げて具体的に説明すると
例えば山形県に霞城学園高等学校という公立の通信制高校があります。
その技能連携校に白鷹高等専修学校という服飾系の高等専修学校があります。
そして次のことが技能連携校の大切な点です。
「白鷹高等専修学校に入学し、そこの授業を受けることで、霞城学園高等学校の卒業単位の約半分を取得することができる」
のです。下記のようなイメージです。
技能連携校の授業は通信制高校の「実技学科」として認められるため、単位認定されるのです。
技能連携校の「技能」とは通信制高校の「実技教科」を担当してくれる部分と考えることができるわけですね。
どのくらい「単位」になるのか
では、高等専修学校の授業は、どのくらい通信制高校(と定時制高等学校)の単位として認められるのでしょうか。
それは高等専修学校によって違います。
しかし、現在は通信制高校の単位取得のハードルを下げるため、できるだけ共通の単位になるようにそのシステムを積極的に変化させているようです。
たとえば、大阪に東朋高等専修学校という学校があります。
このサイトでも「【完全保存版】2024最新 サポート校の選び方 5つのスタイルで紹介」 として紹介していますが、東朋高等専修学校は特別支援教育を行っているユニークな高等専修学校です。
その公式ページには下記のような表記があります。
上記右側の文章は
「生徒が履修する科目には、本校の設置科目・高等学校科目・連携科目の3種類がありますが、そのほとんどが高等学校との共通の科目ですから、同時に両校の卒業を目指す場合でも学習負担はそれほど大きくありません。」
そして
「高等学校科目を履修するうえでは、R(レポート)・S(スクーリング)・T(テスト)という不可欠な条件があります。本校ではR・S・T全てを本校内で行っています。」
となっているのです。
上記のスクショには「ただし」という言葉があって日本語的には引っかかりますが、これは
「ほとんどが高等学校の共通科目」
ただし
「通信制高校には通信制高校でしかできない、つまり単位として認める手続きとして、どうしても外せないR・S・Tがある。」と読むとスッキリすると思います。
そして、東朋高等専修学校ではそのR(レポート)・S(スクーリング)・T(テスト)すら東朋高等専修学校の中でやってますよ、ということです。
これは東朋高等専修学校と連携校である東朋学園高等学校がおなじ学校法人である岡崎学園が経営しているからこそできるシステムです。
余談ですが、通信制高校の東朋学園高等学校は
「狭域通信制」といわれる学校です。
これはルネサンス高等学校などが「広域通信制高校」と呼ばれ、日本全国どこからでも入学が可能なことに対して「狭いエリア」でしか入学が認められない通信制高校である、ということです。
ちなみに東朋学園高等学校は大阪府および兵庫県を校区としています。
話が少しズレてしまいましたが、この東朋高等専修学校のように通信制高校の単位、単位だけではなくテストやレポートまでも高等専修学校でやってしまうような学校が出てきているのです。
「高等学校卒業資格」と「大学入学資格」の2つが取得できる
上記のように白鷹高等専修学校や東朋高等専修学校の生徒は「技能連携」というシステムにより、効率的にそれぞれ連携している通信制高等学校の単位を取得することができます。
そして3年後には
「高等学校卒業資格」と「大学入学資格」の2つが与えられることになるわけです。
(白鷹高等専修学校と東朋高等専修学校は大学入学資格付与指定校でもあります。文科省「修了者に大学入学資格が認められる専修学校高等課程の一覧」参考)
どういった経緯で、通信制高等学校と高等専修学校がこのような関係になっていったかは不明です。
しかし、高等専修学校に「大学入学資格付与指定校」の指定を与えた段階で、ついでだから「高等学校卒業資格」も簡単に取れるようにしてしまおう、ハードルを低くして配慮されたと考えるのは不自然ではなさそうです。
また、そのハードルは徐々に低くなってきており、東朋高等専修学校のように通信制高校の大部分を専修学校に通うことによってクリアしてしまうようなところも出始めています。
世間的には「高等学校卒業資格」が常識だから か
とにかく現在、世間一般では「高等学校卒業資格」というのは、常識といってよいものです。
一方で「大学入学資格」はあまり知られていません。
お恥ずかしい話ですが、もと中学校教員のサイト管理者でさえこの記事を書くまで正確に知りませんでした。
その現状をなんとかしようとしたわけではないと思いますが、技能連携校というシステムは
「世間一般に認知されている”高等学校卒業資格”を取りやすくしてくれた」非常に優れたシステムで、全日制高校に進めなかった生徒にとっては救世主的なシステムといっても過言ではありません。
通信制高等学校と技能連携校は「1.3スクール」
技能連携校に入学すると、同時に通信制高等学校に通うことが多いため「ダブルスクール」になります。
霞城学園高等学校(通信制高等学校)と白鷹専修学校(高等専修学校)
のように2つの学校に通い
「高等学校卒業資格」と「大学入学資格」
を取る「ダブルスクール」になるわけです。
ダブルスクールとは2つの学校に同時に通うことですから、通常は時間と精神的な面で負担が非常に大きくなります。
しかし、前述したようにその高等専修学校が通信制高等学校の技能連携校である場合、その単位の多くを技能連携校で取得できます。
これは白鷹高等専修学校のように大学入学資格付与指定校なら、大学入学資格のための授業が最初からあるわけですので、当然と言えるでしょう。
これらの事によって次のことが言えます。
ダブルつまり「2」ではなく「1.5」、実質的には「1.3スクール」くらい、だと。
さらに、通信制高等学校も高等専修学校も全日制高等学校のような激しい部活動、生徒に負担を強いるような行事や生徒会がありません。
2つの学校に通っているとはいえ、ダブル「2」ではなく、限りなく「1」に近い状況になるといっても過言ではないかもしれませんね。
技能連携校の特徴
「スクーリング」の必要がなくなる
興学社高等学院という技能連携校の公式ホームページでは
「技能連携校は本校(通信制高等学校)へスクーリングに行く必要がない」
となっています。
通常、通信制高等学校ではスクーリングは必須ですが、技能連携校ならばスクーリングはがないところもあるのです。
このことはWILL学園高等部などの通信制高校サポート校と決定的に違うところです。
サポート校は、極論すれば「塾」と同じ扱いです。公的機関ではありません。「基礎知識からその現状まで徹底解説サポート校とは」参考
ですから公的機関である高等学校のスクーリングや単位に関して、直接的な影響力を持つことはできません。「単位を取るための勉強のお手伝い」をするだけです。
それに対して高等専修学校は自治体が認可する一種の公的機関です。
法令上 「教員免許を持っている教員を一定数以上置かなければならない」という制約もあります。
そのような条件をクリアしているため、高等専修学校に通学していればスクーリングとして認められるわけです。
すべての技能連携校でスクーリングができるわけではありませんので、興味のある技能連携校に必ず問い合わせてください。
ちなみに紹介している白鷹高等専修学校は月2回程度のスクーリングがあります。(もちろん長期休み期間はありません)
技能連携校は通学が必須
突然ですが、通信制高等学校と通信制高校サポート校の強みは
「通学」をほとんどする必要がない。
ということです。
インターネットの普及によって、すべてがリモートで済んでしまうサポート校も多数存在します。
コロナ禍においては通信制高等学校のスクーリングでさえもリモートになったところもあります。
もちろん、その施設によっては(特にサポート校では)通学型もあります。
しかし、その場合も週3日型などが多い、というのが現状です。
ところが技能連携校では「週5日通学」が原則です。
「技能」の学校なので通学は当たり前ですが、不登校を経験している子どもさんにとっては「最大のハードル」と言えるかもしれませんね。
「技能」とは
ここで「技能連携校」の「技能」について解説します。
「技能」とは別の言葉でいえば「職業教育」です。
専門科目を中心に実習・実技の授業をたくさん設定し、将来の仕事に結び付く“実践重視のカリキュラム”になっているのです。
各種認定資格のみならず、3年間で自動車整備士(3級)や調理師、美容師などの国家資格が取得できる学校もあります。
下記の図は「文部科学省 未来ひらく高等専修学校」からの転載ですが高等専修学校(技能連携校も高等専修学校です)で取得できる資格がわかりやすく出ていますので参考にしてください。
※ 上記はあくまでも一例です。また各資格は、卒業時に取得できるもの、卒業後さらに専門学校等で学ぶことで取得できるもの、卒業後に実務経験等を積むことで取得できるもの(受験資格取得のみ)があります。※赤文字は 、国家資格・検定 ・試験名です。
高等専修学校のうち技能連携校の指定を受けている学校は約5割です
高等専修学校のうち技能連携校の指定を受けている学校は約5割です。
ちなみに大学入学資格付与指定校は約8割です。
社会的信用が高い
世間ではサポート校の認知度が徐々に高くなってきました。
しかし、公的な機関ではないため、サポート校には様々な形態があります。
中には「特徴がありすぎて」世間になかなか認めてもらえないところもあるようです。
その点、技能連携校は都道府県教育委員会の指定を受けているので、それだけ「社会的な信用が高い」といえます。
特に地方ではこの「公的な教育施設」というところを大切に思う方が多くいらっしゃるようですね。
そういった方々にも高等専修学校、中でも技能連携校の指定を受けている高等専修学校はおすすめできる教育施設ですね。
技能連携校とサポート校の違いは
最後に技能連携校とサポート校の違いについてまとめておきます。
まとめ
- 技能連携校とは高等専修学校の中で一定の条件をクリアしている学校。
- 通信制高等学校と技能連携校はそれぞれちがう学校であるがどちらも公的な教育機関である。
- 通信制高等学校(と定時制高等学校)の中には技能連携校と連携している学校がある。
- 通信制高校(と定時制高等学校)に入っている生徒はその高校と連携している技能連携校に入ることができる。
- 技能連携校での授業は、通信制高等学校(と定時制高等学校)の卒業単位として認定される。
- したがって通信制高等学校での単位取得が容易になる。
- 通常3年間の通信制高校(と定時制高等学校)と技能連携校の教育課程を修了すると「高等学校卒業資格」と「大学入学資格」がそれぞれ与えられる。(※)
- 技能連携校が専門学校と連携している場合、内部進学が有利になる場合がある。
- 技能連携校は国の就学支援金や自治体の助成金などの対象になっている。
- 公立の通信制高校と連携している技能連携校が多いので費用が安くすむ。
※その技能連携校が「大学入学資格付与指定校」の場合
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