「このまま学校に行けないと、高校にも行けないのでは?」
「将来、自立して生きていけるのか心配で夜も眠れない」
お子さんが学校に行けなくなると、親御さんとしては将来の不安で押しつぶされそうになりますよね。
筆者の子ども2人も不登校になったことがありますので、その不安は痛いほどわかります。
でも、大丈夫です。
今は不登校であっても、85%以上の子どもたちが高校へ進学しています。
「みんなと同じ全日制」にこだわらなければ、お子さんが笑顔で通える場所は必ず見つかるのです。
この記事では、不登校中学生のリアルなデータや、お子さんのタイプ別の進路の選び方、親御さんが今すぐできるサポートについて解説します。
- データで知る不登校中学生の進路の実態
- 【学校の種類別】不登校中学生の進路の選び方
- 【悩み・症状別】不登校中学生の進路の考え方
- 出席日数・内申点が足りない不登校中学生の受験戦略
- 不登校の中学生が描けるその後のキャリア
お子さんが自立するための道筋を一緒に探していきましょう。
データで知る不登校中学生の進路の実態

不登校になるとお子さんの将来が閉ざされてしまうように感じるかもしれませんが、それは誤解です。
実は、不登校経験者の進路は皆さんが思っている以上に開かれているのです。
ここでは次の3つのデータから進路の実態を説明します。
- 実は高校進学率は85%以上
- 全日制以外を進学先として検討している生徒は70%以上
- 卒業できない生徒はほぼゼロ
ひとつずつ見ていきましょう。
実は高校進学率は85%以上
不登校を経験していても、高校への進学率は85%を上回っています。
内訳は、就職せずに高校へ進学した生徒が約81%、働きながら進学した生徒が約4%です。
かつては出席日数が進学の壁になることがありました。
しかし今は、不登校を経験した子どもたちについても、社会でどう活躍してもらうかを積極的に考える時代へと変わっています。
それを受けて、高校受験においても、学校外での学習成果を評価する仕組みが整備され、不登校経験者に配慮されたシステムが導入されているのです。
<参考> 文部科学省:「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
全日制以外を進学先として検討している生徒は70%以上
不登校生のうち、 進学先として全日制高校以外を検討している生徒は70%以上です。
「全日制こそが普通の高校生」という固定観念を持つ必要はもうありません。
東京都のデータを見ても、通信制や定時制高校への進学者は増加傾向にあります。
特に通信制高校は、2025年の速報値で高校生全体の10人に1人が在籍するというデータがあるほど、身近な選択肢となりました。
多様な学び方を前向きに捉える人が増えているのです。
Kon全日制のスタイルが合わなくても、高校進学そのものを諦める必要は全くありません。
<参考> PRTIMES:不登校中学生の進路選択、全日制40%・定時制26%・通信制48.5% 多様化する進学のかたち 明光義塾調べ 「中高生の不登校に関する実態調査」
<参考> 通信制高校があるじゃん:通信制高校生徒数が30万人を突破、高校生の10人に1人が通信制高校生
卒業できない生徒はほぼゼロ
不登校であっても公立中学校を卒業できない生徒はほぼゼロです。(帰国子女などが自分の意志で留年を申し出ることがあるので完全にゼロではありません。)



筆者の35年の教師生活の中でも卒業できなかった生徒を見たことがありません。
制度上は留年もありますが、基本は「同年齢で進級」となっており、学習の遅れや、欠席日数を原因に留年することはないのが一般的です。
また、オンライン学習やフリースクールなどへの参加を「出席扱い」にできる仕組みも整えられています。
「欠席が多い=留年」という心配は全くありません。
【学校の種類別】不登校中学生の進路の選び方


一口に「高校」といっても、その種類は多様化しています。
大切なのは偏差値や知名度ではなく、お子さんの生活リズムや特性に合っているかどうかです。
ここでは次の学校の種類や資格試験について説明します。
- 通信制高校
- 定時制高校
- 全日制高校
- 高等専修学校
- 高卒認定試験
それぞれの特徴と、どんなお子さんに向いているかを順番に見ていきましょう。
通信制高校
毎日決まった時間に登校するのがつらく、自分のペースを大切にしたいお子さんには、通信制高校をおすすめします。
体調や生活リズムに合わせて、学習スケジュールを柔軟に調整できるからです。
学習は、基本的に自宅でのレポート作成が中心となります。
スクーリング(面接指導)の頻度は「年数回」から「週数回」まで学校により様々です。
最近ではオンラインでスクーリングの一部を代替できる学校や、逆に「通学コース」を設けて友達作りの場を提供している学校もあります。
毎日通わなくても、「高校卒業」の資格は取得できるわけです。
近年、通信制高校の学習を支援する民間施設「サポート校」が普及してきました。
学習面や精神面での手厚いフォローも受けられるため、併用すれば安心して高校生活をスタートできるでしょう。



実は、筆者の子ども2人も不登校を体験しました。
その経験からサポート校について調べた経験があり、関連記事「サポート校とは 基礎知識からその現状まで徹底解説」で詳しく解説していますのでご覧ください。


定時制高校
朝起きるのが苦手な「起立性調節障害」などの傾向があるお子さんには、定時制高校が合います。
多くの定時制は午後や夕方から授業が始まるため、無理なく通学できるからです。
近年は、不登校経験者など多様な背景を持った生徒を対象とした定時制が多く設置されるようになりました。
東京都では「チャレンジスクール」、埼玉県では「パレットスクール」という名称で運営されている「多部制・単位制」の高校が増えています。
これらは、午前・午後・夜間の3つの時間帯から選べる「三部制」などを導入しています。
自分の体調が良い時間帯を選んで履修できるため、生活リズムを崩さずに済むのです。
これらの学校はスクールカウンセラーを配置し、個別相談に応じるなどメンタル面でのサポートも充実しています。
<参考>東京都教育委員会:チャレンジスクール・エンカレッジスクール
<参考>埼玉県教育委員会:「21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画」に基づく「準備委員会 報告書」について
全日制高校
不登校だからといって、全日制高校を完全に諦める必要はありません。
近年は、不登校経験者の事情を理解し、配慮を前提に受け入れる全日制高校が増えているからです。
例えば山梨県や福岡県などの公立高校では、不登校経験者に配慮した特別な選抜制度を導入しています。
東京都の「エンカレッジスクール」のように、内申点を用いず、面接や作文で意欲を評価する学校も設立されました。



私立高校でも不登校生の受け入れに積極的に取り組んでいる高校があります。
「全日制は絶対無理」と決めつけず、お住まいの地域の入試情報を調べてみてください。
不登校からの再チャレンジを応援してくれる全日制高校が見つかるはずです。
高等専修学校
机に向かって勉強するよりも、実技やものづくりが好きなお子さんには、高等専修学校という道があります。
国語や数学などの一般教科よりも、将来の仕事に直結する専門分野の学習に多くの時間を割けるからです。
カリキュラムは、美容、調理、IT、ファッション、福祉などの実習が中心となります。
「座学はずっと眠いけれど、実習なら目が輝く」というタイプのお子さんが、水を得た魚のように活躍することも珍しくありません。
また、あまり知られていませんが、文部科学大臣が指定した条件(修業年限3年以上など)を満たす高等専修学校を卒業すれば、大学入学資格が得られます。
多くの高等専修学校がこの指定を受けており、社会的には高校卒業とほぼ同等に扱われます。
「進路=学力」ではありません。
高等専修学校は、好きなことや得意なことを伸ばし、専門スキルも手に入れられる現実的な選択肢です。



筆者は中学校教員時代、生徒の進学先として専修学校のことを詳しく調べた経験があります。
関連記事「【完全保存版】技能連携校とは ~どこよりも詳しく わかりやすく説明~」で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。


※技能連携校とは高等専修学校の中で一定の条件をクリアしている学校のことです。
高卒認定試験
どうしても学校という場所に通うこと自体が難しい場合は、高卒認定試験(旧大検)という選択があります。(正式名称は高等学校卒業程度認定試験)
高校に在籍していなくても、この試験に合格すれば大学や専門学校への受験資格を得られるからです。
現在は年2回実施されており、自宅学習やオンライン教材、専用の予備校などを利用して準備を進められます。
対人関係のストレスから完全に離れ、自分のペースで学習に集中できるのが最大の特徴です。
高校進学だけが進路の正解ではありません。
高卒認定試験に合格すれば、高校卒業と同等の学力があると国に認められ、その後の進路の幅は高校卒業者と全く変わりません。
<参考> 文部科学省:高等学校卒業程度認定試験の概要
【悩み・症状別】不登校中学生の進路の考え方


進路選びで失敗しないコツは、今の「困りごと」や「優先順位」を明確にすることです。
お子さんが抱えている具体的な悩みや状況に合わせて、最適な方向性を考えてみましょう。
ここでは次の4つのパターンを説明します。
- 起立性調節障害の場合
- 勉強への拒否感が強い場合
- 人間関係をリセットしたい場合
- 金銭面の負担を考慮する場合
それでは一つずつ見ていきましょう。
起立性調節障害の場合
起立性調節障害がある場合は、まず治療と体調の見通しを最優先に進路を選びましょう。
思春期特有の症状で改善する可能性も高いですが、無理をすると長期化することもあるからです。
症状が重く朝が辛いなら、午後から通える定時制や、登校時間の自由な通信制が安心でしょう。
一方で、治療によって改善傾向にあるなら、全日制を目指すことも不可能ではありません。



重要なのは、親だけで決めず、医師や本人とよく話し合うことです。
「通えるか」よりも「心身の負担が少ないか」を基準に、スモールステップで目標を立てましょう。
勉強への拒否感が強い場合
「勉強したくない」という拒否感が強い場合は、その原因を見極めることをまず考えましょう。



単に勉強が嫌いなのか、不登校による学習の遅れがコンプレックスになっているのかで、選ぶべき道が異なるからです。
もし学習の遅れが原因なら、基礎から学び直せる「通信制×サポート校」の組み合わせが適しています。
一方で、座学そのものが苦痛なら、技能習得が中心の高等専修学校の方が意欲的に取り組めるでしょう。
学び直しのハードルを下げるか、勉強以外の道を示すか、という2つの考え方で選択肢を提示するとお子さんは選びやすくなります。
一番大事なことは、お子さん自身が自分で自分の進路を選択することです。
それが自立への第一歩となります。
人間関係をリセットしたい場合
「今の友達に会いたくない」「知っている人がいない場所に行きたい」という場合は、環境をガラリと変える進路を優先しましょう。
近隣の高校に進学すると、同じ人間関係の中に戻ることになり、再登校への大きな心理的ハードルになる場合があるからです。
あえて学区外の高校を選んだり、遠方の通信制高校の通学コースを選んだりすることで、人間関係を一新できます。
過去を知らない人たちの中でなら、「新しい自分」として再スタートを切れるケースが多いものです。
無理に地元の学校へ戻そうとせず、お子さんが安心して呼吸できる「新しい居場所」を一緒に探してあげてください。
金銭面の負担を考慮する場合
進路選びには費用の問題も現実的に関わってきます。
金銭面を考慮する場合は、まず親御さんが具体的な費用を整理して判断しましょう。
子どもに経済的な心配をさせると、心理的に負担をかけてしまうからです。
以下に費用の目安をまとめました。
| 種類 | 内容 | 費用の目安(年間の全国平均) |
|---|---|---|
| 公立全日制・定時制 | 学校教育費(授業料・教材等含む総額) | 約 51万円 前後 |
| 私立全日制高校 | 学校教育費(授業料、学校外活動費含む総額) | 約100万円前後 |
| 公立通信制高校 | 学校教育費(授業料・教材等含む総額) | 約4万円前後 |
| 私立通信制高校 | 授業料・施設費・教育充実費など | 約 25万〜100万円程度※通学日数やコースにより大きく変動 |
| 高等専修学校 | 授業料・実習費など | 約 80万〜120万円程度※専門分野により機材費等が異なる |
※サポート校は私立通信制高校と併用する形になるため、利用する場合は通信制高校の学費とは別に、同程度の費用がかかるとお考えください。
公立の定時制や全日制は費用が抑えられますが、私立通信制やサポート校は比較的高額になる場合があります。
しかし、高等学校等就学支援金制度により授業料の部分はほぼ無償となります。(公立高校の場合は年額11万8,800円、私立高校の場合は年額最大約45万7,000円が支給)



これらを参考に現実的な選択肢を整えた上で、お子さんが気兼ねなく選べる状態を作ってあげましょう。
詳しく調べたい方は下記のリンクを参照してください。
<参考>文部科学省:高等専修学校のことが知りたい
<参考>明治安田生命:公立高校の学費はいくらかかる?支援制度や教育費を備えるための方法も紹介
<参考>明治安田生命:私立高校の学費はいくら?公立との違いや授業料無償化についても解説
出席日数・内申点が足りない不登校中学生の受験戦略


「欠席ばかりで内申点がボロボロ…行ける高校なんてない」と思い込むことはありません。



出席日数や内申点(調査書)に依存しない選抜方式があるのです。
現在の高校入試は多様化しており、数値評価だけでなく、面接や作文、自己申告書などを通じて、生徒の「これからの意欲」を評価する方式が存在します。
過去の欠席日数よりも、未来への再挑戦の姿勢を見てくれる学校が増えているのです。
例えば、通信制の「N高等学校」や「クラーク記念国際高等学校」などでは、基本的に学力試験を課さず、面接や作文、書類選考を重視しています。
また、東京都立の「チャレンジスクール(定時制)」のように、調査書の評定を用いずに総合的な人間性で合否を判断する仕組みを採用している自治体もあります。
さらに、福岡県では中学時代に30日以上不登校だった生徒を対象にした特別推薦入試を開始するなど、小論文と面接で選考を行う公立全日制高校の整備を進めています。
出席日数や内申点が不足していても、それを理由に進路を諦める必要はありません。
皆さんの地域にも、不登校の状況に配慮した高等学校や高等専修学校が必ず存在するはずです。
ぜひ探してみてください。
進路に悩む不登校中学生の親ができる具体的な行動


不登校に悩んでいるお子さんを前にして、親として何ができるのか、毎日もどかしい思いをしている方も多いでしょう。
ここでは、お子さんの将来のために、今日からできる具体的なサポート例を紹介します。
次の4つの観点で説明します。
- 子供の意思を尊重し焦らせない
- 自宅学習で基礎学力を補う
- 中3夏休みからの受験スケジュールを組む
- カウンセラーなど第三者を頼る
- フリースクール・サポート校を見学する
- 親自身のメンタルを整える(掃除や整理整頓など)
では順番に見ていきましょう。
子どもの意思を尊重し焦らせない
進路に悩むお子さんに対して、結論を急がせないでください。
不登校のお子さんは、口に出さなくても「自分は遅れている」「親に迷惑をかけている」という悩みを既に抱えています。
そこに親の焦りが重なると、思考停止や拒否反応につながってしまうからです。
「今は何をしている時が一番辛くない?」「どんなことなら興味がある?」と、今の気持ちを聞くところから始めてください。
もし会話が止まってしまっても、それはお子さんが自分の気持ちを言葉に表せないだけで、会話を拒否しているわけではありません。



伝えたいことがあっても、うまく表現できないのです。
親が「待つ」というどっしりした姿勢を見せることで、お子さんは「焦らなくてもいいんだ」「もう少し考えてみようかな」と、心の余裕を持てるようになります。
自宅学習で基礎学力を補う
本格的な受験勉強の前に、まずは生活に必要な基礎学力を補う取り組みを始めましょう。
学校から長期間離れてしまうと、日常生活に必要な計算力や漢字力まで低下してしまう恐れがあるからです。
特に「九九」と「基本的な漢字」は、使わないと驚くほど早く忘れてしまいます。
「さあ勉強」と構える必要はありません。
買い物に行った時にお釣りを計算してもらったり、テレビの字幕の漢字を読んだりするだけで十分なリハビリになります。



お子さんが自分から「高校に進学したい」「勉強したい」と考えるときは必ずやってきます。
その時がきたら、不登校対応に慣れた家庭教師や個別指導塾などのプロの手を借りることも視野に入れて受験勉強に取り組みましょう。
中3夏休みからの受験スケジュールを組む
お子さんが動けなくても、親御さんは中学3年の夏休みからの受験スケジュールを調べ、整理しておきましょう。
多くの高校では、夏休み頃からオープンキャンパスや個別相談会がスタートするからです。
お子さんの状態を見ながら、「興味があるなら行ってみる?」と提案できる資料を親が事前に準備しておくことが大切になります。
通信制、定時制、サポート校も含めて、タイプが異なる学校を複数ピックアップしておくと良いでしょう。
あらかじめ情報を集めておけば、いざという時に慌てずに済みます。
情報収集は親の役割、意思決定は本人の役割と考えて準備を進めてください。
カウンセラーなど第三者を頼る
進路の話は、親子だけで抱え込まず、第三者を間に挟むことを積極的に考えましょう。



親の言葉はどうしても「期待」や「押し付け」として受け取られやすく、素直に聞き入れられないことが多いからです。
スクールカウンセラー、フリースクールのスタッフ、不登校専門の家庭教師など、信頼できる第三者を頼ることをおすすめします。
親には言えない本音も、第三者にならポツリと話すことはよくあるものです。
「親以外の大人」が間に入ることで、感情的なぶつかり合いを避けられます。
親が一歩引いて見守ることで、かえって話がスムーズに進むケースは本当に多いのです。
フリースクール・サポート校を見学する
親御さんだけでもフリースクールやサポート校を一度見学に行ってみることをおすすめします。
実際に足を運び、学校以外の「学びの場」が実在すると肌で感じるだけで、親御さん自身の不安が大きく和らぐからです。
フリースクールは、名前は知っていても実態がわからないという方がほとんどではないでしょうか。
実際に見に行くと、小中学生や高校生たちが、それぞれのペースで生き生きと活動している様子に驚かされるはずです。



実は筆者自身も、あるフリースクールを見学した経験があります。
最初は見学のつもりだったのですが、対応してくださった方がとても温かく、思わず自分の子どもの現状を相談してしまいました。
「ここなら大丈夫かもしれない」と思える場所を親が知っているだけで、お子さんを見守る目にも余裕が生まれます。
ぜひ一度、気軽な気持ちで見に行ってみてください。
親自身のメンタルを整える(掃除や整理整頓など)
意外に思われるかもしれませんが、家の整理整頓や掃除に取り組んでみるのは親御さん自身の心を整えるためにとても効果的です。
お子さんが不登校になると、親はどうしても「これからどうなるんだろう」と悪い方へばかり考えてしまい、負のスパイラルに陥りがちです。
そんな時こそ、無心になって掃除をしてみてください。
作業に没頭している間は余計な心配をせずに済みますし、部屋がきれいになれば気分も晴れやかになります。



もし可能なら、お子さんにも手伝ってもらいましょう。
そして終わった後は、きれいになった部屋や庭を眺めながら、一緒にお茶でも飲んで「ご苦労さま会」をします。
その時、「手伝ってくれてありがとう、助かったよ」と自然に伝えてあげてください。
不登校のお子さんは、「自分は何もしていない」「迷惑をかけている」という罪悪感を抱えています。
ただ励まされるよりも、実際に体を動かして役に立ち、「ありがとう」と感謝される経験のほうが、お子さんの心にとっては大きな救いになるのです。
不登校の中学生が描けるその後のキャリア


高校進学はゴールではありません。
その先には、お子さんが自立して生きていくための長いキャリアが待っています。
最後に、かつて不登校だった筆者の教え子が、未来を掴み取った実話も交えて中学卒業後の進路の実例を5つ紹介します。
- 高校卒業後に大学・短大へ進学する
- 高等専修学校で実践的なスキルを身につけて就職する
- サポート校でITスキルの学習をしてエンジニアになる
- 中学卒業後すぐに就職し社会に出る
- 【実話】不登校から市議会議員へ
お子さんが進路を選択する際の参考にしていただければ幸いです。
高校卒業後に大学・短大へ進学する
中学時代に不登校であっても、高校卒業後に大学や短大へ進学することは十分に可能です。
高校生活の中で少しずつ学習習慣や自信を取り戻し、進学に必要な力を後から身につける生徒はたくさんいます。
特に通信制高校や定時制高校では、指定校推薦枠を持っていたり、個性を重視する「総合型選抜(旧AO入試)」に強かったりする場合があります。
中学時代の欠席は大学入試には直接影響しません。



高校以降の積み重ねが評価されるのです。
「中学で休んでいたから大学は無理」などということはありません。
自分に合った高校でエネルギーを溜めれば、進学の道は大きく開かれるのです。
高等専修学校で実践的なスキルを身につけて就職する
学力よりも実践力を重視する高等専修学校に進学した場合、身につけたスキルを武器にそのまま就職するケースが多くなります。
高等専修学校は業界との結びつきが強く、企業からの求人も豊富だからです。
調理師、美容師、自動車整備士、介護福祉士、プログラマーなど、在学中に国家資格や専門技術を取得できます。
「学校の勉強は苦手だったけれど、手先を使う作業は誰にも負けない」というお子さんが、社会に出て即戦力として輝けるルートです。
大学に行くだけが進路ではありません。
実務に直結する「手に職」をつけることも、立派で賢いキャリア選択の一つです。
サポート校でITスキルの学習をしてエンジニアになる
通信制高校のサポート校で高度なITスキルを身に着け、エンジニアとして羽ばたくお子さんも増えています。
現代の子どもたちにとって、ネット空間は重要な居場所であり、特に不登校のお子さんはデジタルへの適性が高い傾向にあります。
最近のサポート校は、プログラミングなどの専門コースが充実しており、ゲーム会社やIT企業へ優秀な人材を輩出しているところが多くあるのです。



筆者は、あるサポート校の進路担当の先生から話を伺ったことがあります。
体験入学の後、「ここならやっていける」と親御さんと明るく話をするお子さんを何度も見てきた、と話をしていました。
「好き」や「得意」を伸ばして自立する、現代らしい選択肢の一つです。
中学卒業後すぐに就職し社会に出る
あえて高校には進まず、中学卒業後すぐに就職して社会に出るというのも、一つの現実的な選択肢です。
学校という閉鎖的な環境がどうしても合わない場合、働くことを通して社会との接点を持ち、生活を安定させる方が性に合っているお子さんもいるからです。
まずは地元の職場でアルバイトから始め、社会経験を積んでから「やっぱり学びたい」と思った時に、高卒認定試験や通信制高校に挑戦する人もいます。
一度社会に出たからといって、学びの道が閉ざされるわけではありません。
就職は「ドロップアウト」ではなく、自分らしい人生を歩むための通過点であり、次の夢へのステップにもなるのです。
【実話】不登校から市議会議員へ
以下は、筆者の教え子の実話です。
彼は中学時代、全く学校に通うことができず、卒業式の日だけなんとか登校したという生徒でした。
しかし20年後、なんと彼は市議会議員選挙に立候補し、見事に当選を果たしました。
かつて教室に入れなかった彼が、堂々と人前で演説し、多くの有権者に頭を下げて回り、信頼を勝ち取ったのです。
また、先生と話すのもやっとだったおとなしい子が、コンビニでアルバイトをしているところに出会ったことがあります。



そして筆者の顔を見て「先生、私明るくなったでしょ」と話しかけてくれたのです。
中学時代の不登校は、長い人生のほんの「一瞬」の出来事に過ぎません。
人はきっかけ一つで、これほどまでに逞しく変われるのです。
未来はいかようにも変化していく、その可能性を信じてあげてください。
まとめ:不登校は通過点。子供が笑顔になれる進路を選ぼう


不登校は、お子さんのわがままや、親御さんの育て方の問題では決してありません。
今の環境が苦しく、自分自身の心と体を守るために「学校に行かない」という選択をせざるを得なかっただけなのです。
幸いなことに、今の社会では不登校に対する見方が大きく変わりつつあります。
学校に戻すことをゴールにするのではなく、その子がその子らしく自立することを長い目で見守る体制が整ってきているのです。
進路は一度決めたら変えられないものではありません。
合わなければ、また選び直せばいいのです。
どうか焦らず、お子さんが再び笑顔を取り戻せる道を、一緒に探してあげてください。
大切なのは、お子さんが「自分にもできることがある」「生きていて楽しい」と思える場所を見つけることです。
その先には必ず、お子さんの自立した未来が待っています。









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